社会人を経て高技専へ。
知識ゼロから溶接スキルを習得。
公共の上下水道施設など、水処理設備に関わる機器を製造する部門で製造グループ長を務める土居さん。高校卒業後は販売業で社会人を経験した後、高技専へ入校。同社に入社し、勤務18年目となります。
「現在、製造グループ長として、協力会社の作業員を含む約60名のスタッフを束ねる管理職としてグループ内の工程管理や、他部門との連携、調整といった仕事を担っています」
今では管理業務がメインになり、現場での溶接作業はめっきり減ったという土居さんですが、実は溶接の資格は上位資格も含め、すべてを取得したという溶接のプロフェッショナルです。
熟練の先生たちから受けた指導により
技術が向上していく手ごたえを感じられた
「高技専に入校した当初はもちろん、溶接は未経験だったので全くできなかったです。でも先生から練習方法を教えてもらって、夏休みに練習してみたんです。そしたら夏休み明けにビックリするほど手が動く。急に成長した!と自分で実感したんです。そうした感覚がとても面白かったですね」
企業での実務経験がある指導員から学べることは、技術習得以外にもメリットがあったといいます。
「それぞれの先生から企業での実務に関する話を聞けたことで、自分が社会人になって『溶接で仕事をするというイメージ』を持てたのは良かったです。高技専の先生は様々な場面でアドバイスをくれるので、それを参考にしながら学ばれるといいと思います」
高技専を経て自分の未来が広がった。
仕事で得る喜びを、次世代へつなぎたい。
「私の今の職場を紹介してくれたのは、高技専の先生でした。その先生がいなければ、今の私はなかったと思います。高技専で一緒に学んだ同期も今では同じ業界の良きライバルであり、良き相談相手です。高技専で出会った人たちは皆、特別な存在です」
現在勤める企業で、溶接技術職から管理職までキャリアを積み上げてきた土居さん。これから目指すことについてお聞きました。
「私たちの仕事は仲間とともに苦労しながら製品を作り、完成を分かち合うことが一番の喜びです。そうした瞬間を自分の部下にもたくさん味わってもらいたいです。また今後は自身の役割をバトンタッチできる人材を育てるとともに、若手の手本となれるよう、これからも努力を重ねていきたいです」
“なりたい自分”を目指しているあなたへ
土居さんからのエール。
はじめは「溶接って難しそう」と思うかもしれませんが、やってみると奥が深くて面白い世界です。上手くいかない時もありますが、練習すれば必ず上達します!キャリアの土台になる時間を、楽しみながら過ごしてみてはいかがでしょうか。
〈取材協力〉
協和機電工業株式会社
人々の生活や産業に必要な水・電気を中心とした社会インフラの構築・整備と、モノづくり企業の生産性向上に携わる企業です。「より安全に」「より快適に」をモットーに社会環境の発展に貢献します。